2018年2月15日に、『C++ポケットリファレンス』の第3版が発売となります。
今回の改訂では、C++17 (ISO/IEC 14882:2017) に対応しています。
執筆関係のこと
執筆自体は2017年4月からはじめて、C++17がISOから発行されたらなるべく早く出版できるよう進めていました。
ツールとしては、執筆環境にGitHubのプライベートリポジトリ、細かい相談ごとにGitterを使用していました。
改訂の内容
C++17では大きな機能がいくつか追加されたため、章立てから見直しています。
- エラーハンドリングの主要機能として
std::optional
クラスが追加されたことから、例外の章を、エラーハンドリングの章に変更 - ファイルシステムのライブラリが追加されたことから、入出力の章にその解説を追加。その代わりにロケール関係を削除
C++14までの機能で、重要度が高く、解説されていなかったリファレンスもいくつか追加しています。
その他、C++17関係の機能として、構造化束縛や追加の属性、if
文やswitch
文での初期化式、ラムダ式での*this
のコピーキャプチャ、std::variant
クラス、文字列検索アルゴリズム、並列アルゴリズムなど多くの解説を追加しています。
締め
主要コンパイラであるGCC、Clang、Visual Studioなどの開発速度が早いこともあり、C++17の多くの機能がすでにユーザーが使える状態になっています。 より新しい機能を使いたい方やそれを周りに広めたい方のために、本書を役立てていただければ幸いです。