Boost.勉強会 #8 大阪

Boost.勉強会 #8 大阪 - boostjp


2012/02/11(土)、大阪でBoost.勉強会が開催されました。今回は秋猫さん(id:Akineko)主催でAiming社の支援を受けて開催しました。


私は今回、オープニングで弊社ロングゲートの紹介を少しさせていただいたのと、「メンバ変数のメンバ関数にでのリソース管理」というテーマで、Boost.ScopeExitとそれが必要なケース、Scoped Locking Patternについて発表しました。



ほか、とくに気になった発表についていくつか。
id:alweiさんによるメモリマネージャの話は、C++によるコンシューマのゲームプログラミングではほぼ必須な技術なはずですが、その情報がなかなかオープンになってないように感じたので、とてもよかったと思います。発表中のコードもGitHubで公開してくれてるようなので、気になる方は覗いてみて、有識者の人はどんどんpull requestしていくといいと思います!



前回の東京に引き続き、岡山から来てくれたボレロさんの発表はもうほんとさすがでしたね。前回の前提があったので復習してなかった方には難しかったかもしれませんが、非常に丁寧に解説されていて、constexprの研究が順調に進んでいるのがよくわかりました。

現在Boostに、コンパイル時にprintfの正当性チェックなどに使用できるMetaparseというテンプレートメタプログラミングのライブラリが提案されています。私がその提案に対して「村上さんが作っているSprout.WeedはSpirit.Qiのようなシンタックスを提供するライブラリで、私はこのアプローチの方が好みです」というような話が出たときにその作者からこんな課題が出されました。


「私はWeedを使ってprintfの解析ができるのかがわからない。このライブラリは文字列の中身に応じた型を生成できるの?」


ボレロさんの今回の発表は、その問題に対する回答として、文字列の型から値、値から型への双方向の変換を実現したという、研究成果の発表でした。
Sproutは、コンパイル時操作の壁を日々着々と壊していってる非常に価値あるプロジェクトです。応援してます!


さて、Boost.勉強会もなんだかんだで8回目の開催となり、毎回100人前後が参加し、東京、大阪、名古屋、札幌での全国各地での開催を行ってきて、そろそろなーなーで進めると崩れ始める時期です。発表者のメンバ固定化などの問題も徐々に浮き彫りになってきています。そこで、これを気に数人のコアメンバでBoost.勉強会を今後どうしていくかの話し合いを始めることにしました。
今後もBoost.勉強会が多くの参加者に納得のいく形で続いていけるように、道を模索していこうと思います。