2009年に出版した書籍『C++テンプレートテクニック』の第2版を出版します。
発売日は、2014年4月17日(木)です。
C++テンプレートテクニック
本書は、プログラミング言語C++のテンプレート機能に関する技法を解説した本です。
プログラムをより汎用的にしていくにあたって起きる、様々な問題への解法を提供します。
第2版の更新内容
第2版の主な更新は、C++11への対応です。C++11に追加された機能を使用した各種技法を掲載しています。C++03の技法で今もなお有用なものは残してあります。
第2版では、以下のような変更を行いました:
- 第1版の章「Extension Member Function」および「C++0xにおけるテンプレート」を削除
- 新章「コンセプト」を追加。コンセプトに基づく設計(Concept-based Design)について解説しています。
- SFINAEの章を全面見直し。
- 各章に、C++11および最近のBoost事情に合わせた、新たなサンプルおよび解説を追加。
C++14に関しては、多少言及はしていますが、本格的には扱っていません。本書は、ユーザーコミュニティによって十分に使い込まれた、実績のある技法を扱っているからです。
電子書籍版について
どこかの電子書籍ストアで何らかの形式で販売するつもりですが、今のところは未定です。少なくても、書籍版と同時発売にはならないと思います。
書籍執筆においての新たな試み
書籍の第2版というのを出すこと自体が新たな試みでした。5年前の自分と今の自分はやはり違っていて、その差異を埋めつつ改訂を進めるのは、意外と大変でした。改訂期間としては、書籍『C++ポケットリファレンス』の作業が終わる1ヶ月ほど前から始めていたので、ほぼ丸一年かけました。私が関わる書籍では、レビューにバグトラッキングシステムを使っているというのはポケットリファレンスのときに書きましたが、第1版が400チケット程度のレビューだったのに対して、第2版では912件のレビューに対応しました。5年前に比べて、レビュアーの目もいっそう厳しく、いっそう頼もしいものになっていました。
それから今回、「本書推薦の言葉」というのを、4人の方に書いていただきました。第1版を実際に役立てていただいた方、レビュアー、他言語ユーザーの方などにお願いしました。これを導入したのは、いくつか理由があります。
- 著者以外のメッセージを書内に入れてみたかった。読者へのさらなる動機付けのため。
- 本書は比較的ニッチな内容なので、推薦文があることは効果がありそうだと判断した。
- 私たち著者が読んでニヤニヤしたかった。
第1版を読んでいただいた読者の方にとっても、共感できるものがあると思いますので、そちらもお楽しみにしてください。