cpprefjp 次のマイルストーンは正規表現ライブラリ

C++

cpprefjpサイトの次のマイルストーンは、正規表現ライブラリを作成します。

そのマイルストーンを達成するためのタスクリストを、GitHub Issuesとして作ってあります。

cpprefjp/siteリポジトリのメンバになっていてご協力いただける方は、タスクの担当をご自分に設定してください。現在メンバになっていない方で、新たにご協力いただければ、担当したいタスクのところにコメントをいただければと思います。

cpprefjp更新 数値ライブラリ完了

C++

<complex>ヘッダと<valarray>ヘッダのリファレンス作成が完了しました。<complex>は、C++14の仕様にも対応してあります。

これによって、数値ライブラリ全体のリファレンス作成が完了しました。

標準ライブラリ全体としては、全52ヘッダ中、42ヘッダのリファレンス作成が完了しています。残りは、正規表現ライブラリ、ローカライズライブラリ、入出力ライブラリです。

次に何をやるかは、現在GitHubのIssueで意見を募集しています。

私はこのあと少しの間は、boostjpサイトの作業環境をGitHubに移行する準備を行います。

Clang 3.5からはc++14オプション

これまでC++14の機能は-std=c++1yオプションで使用できていましたが、Clang 3.5から-std=c++14オプションが追加されます。(Clang 3.5のリリースブランチにマージされている)

C++14の仕様策定が完了しました

C++

C++14のDIS(Draft International Standard)に対する各国の投票が行われ、満場一致で承認されました。各国から(主に日本から)のコメントによる文面の細かな修正が残っていますが、その作業が完了次第、ISO/IEC 14882:2014(E) Programming Language C++、別名C++14の規格が発行されます。

C++14は、2011年に発行されたC++11に対するマイナーバージョンアップです。小さな機能追加、および文面のバグ修正が含まれます。

C++14の更新内容は、以下のエントリにまとめてあります:

次はC++17です。そちらはメジャーバージョンアップになる予定で、その議論はすでに始まっています。

C++Now! 2014のセッション概要翻訳が完了しました

C++

C++Now! 2014のセッション概要翻訳が完了しました。

C++Now!はBoostの開発者やC++標準化委員会のメンバが多く集まる、C++の最も濃いイベントです。そのセッション内容はどれも有用ですが、その資料全てを翻訳する余裕はありません。

それでもその有用な情報に触れるきっかけになればと思い、boostjpサイトでは、C++Now!のセッション概要を翻訳して公開しています。

この翻訳も、BoostCon時代から続いて5年目になります。これだけの量を毎年よく訳してるなーと自分でも思いつつ、今回も完成に向けてご協力していただいたzakさん、eagle_raptorさん、chichimotsuさんに感謝します。

Fisher-Yates Shuffle

C++

てきとうに抜粋して書く。

以下のシャッフルアルゴリズムは間違っていて、

def incorrect_shuffle(items):
    for i in range(len(items)):
        randomIndex = random.randint(0, len(items)-1)
        temp = items[randomIndex]
        items[randomIndex] = items[i]
        items[i] = temp
    return items

これには、以下の3つの問題がある:

  1. 偏る
  2. 偏る
  3. 偏る

実は1つだったけど、これは大きな問題だ。

Fisher-Yates Shuffle (Knuth Shuffleとも呼ばれる)の実装は、以下のようになる:

def fisher_yates_shuffle(items):
    for i in range(len(items)):
        randomIndex = random.randint(i, len(items)-1)
        temp = items[randomIndex]
        items[randomIndex] = items[i]
        items[i] = temp
    return items

違いは、以下の1行。

従来のアルゴリズム

randomIndex = random.randint(0, len(items)-1)

Fisher-Yatesのアルゴリズム

randomIndex = random.randint(i, len(items)-1)

乱数範囲の開始が0iになっただけだけど、統計をとると偏りがなくなったことがわかる:

ちなみに、C++標準ライブラリに含まれるstd::shuffle()の実装を調べたところ、GCC 4.9 (libstdc++)、Clang 3.4 (libc++)、MSVC2013のいずれも、Fisher-Yatesを使っていた。([i, size)ではなく[0, i)のバージョン)

参照

変更履歴

  • 2014/08/12 15:14 MSVCは従来のアルゴリズムではなくFisher-Yatesを使っていたので、訂正
  • 2014/08/12 15:18 libstdc++とlibc++もFisher-Yatesだったので訂正

Boost.勉強会 #16 大阪

C++

9月20日(土)に、大阪でBoost.勉強会を開催します。主催は遥佐保さんです。

ひさしぶりの大阪開催ですので、この機会にぜひご参加ください。

Boost 1.56.0がリリースされました

C++

GitHubへの移行とモジュール化

このバージョンから、Boostの開発リポジトリSubversionからGitHubに移行しました。それにともない、GitHub上ではBoostの各ライブラリが、モジュールという単位で分割されるようになりました。モジュールは、関連するライブラリを集めたものや、Boostのいろいろなライブラリで使うベースライブラリをまとめたものです。CoreやWinApiなどのモジュールは後者になります。

新ライブラリ

Boost 1.56.0では、アラインメントを扱うAlignライブラリと、C++11のstd::type_indexのBoost版でもあり、それの拡張も入っているType Indexライブラリが追加されました。

非推奨ライブラリ

BoostからC++11標準に入れるたたき台となっていたライブラリ群であるTR1が非推奨になりました。このライブラリは、Boostの機能をstd::tr1名前空間で定義し直しただけのものなので、Boostの機能を使うか、C++11標準ライブラリを代わりに使ってください。

その他主要な更新

  • boost::variantが可変引数テンプレートに対応しました。コンパイルがいくらか速くなることを期待できます。
  • Containerに、DLmallocベースのアロケータが入りました。
  • Containerのmapsetの実装に使用するツリー構造が、選択できるようになりました。
  • Flyweightが、可変引数テンプレート、ムーブ、initializer_listでの初期化に対応しました。
  • Multi-Indexのhashed_indicesが、高速化しました。
  • Multiprecisionに、2進表現の浮動小数点数cpp_bin_floatが追加されました。
  • Optionalが、C++標準に提案されている仕様に対応しました。ムーブやemplace()のサポート、値にアクセスする新たな方法として、value()value_or()value_or_eval()のサポートが追加されました。(nulloptはまだ)
  • Smart Pointerの、make_shared()allocate_shared()に、配列のサポートが追加されました。
  • Threadに、C++標準のConcurrency TSで提案されているfutureの拡張であるwhen_any()when_all()が追加され、同様に提案されているexecutorが追加されました。

そのほか細かい変更は、リリースノートを参照してください。この記事の先頭に、日本語訳したリリースノートへのリンクを貼ってあります。

getかvalueか

C++

std::optionalが提案された最初の時期、中身のデータを取り出す方法が、間接参照演算子しかありませんでした。そのあと、私が「boost::optionalにはget()メンバ関数があるが、こちらにはない。私はポインタインタフェースよりは、そちらを使いたい。」と提案したところ、get()メンバ関数の代わりに、value()メンバ関数が入りました。

その経緯としてはこういうものです。

  • shared_ptrunique_ptrには、生ポインタを取得するためのget()メンバ関数がある。
  • optionalは、見ようによってはスマートポインタと見なすこともできる。
  • optionalget()メンバ関数を入れるのであれば、スマートポインタのように、ポインタを返すべきではないか。
  • optionalget()はスマートポインタのインタフェースではなく、生データ(raw data, base data)を参照するセマンティクスなので、別名としてvalue()にしよう。

この結論を悪いとは思いませんが、私個人は、optionalboost::initializedstd::chrono::durationのようなラッパー型の、生データを参照するインタフェースを共通化したいと考えるので、私が作るクラスでは、get()メンバ関数に統一をしています。

先日の「チェック付き間接参照の提案 またの名をパターンマッチ」が受け入れられる場合は、生データを参照するインタフェースが共通していたほうがいいでしょうから、そのような話になったら、optionalのインタフェースも見直しになるかもしれません。間接参照演算子を共通インタフェースにはしたくないけどポインタも扱えるようにしたい、というなら、traitsのような中間インタフェースを用意することになるとは思います。

参照