Emscriptenへのpull requestレポート

Emscriptenにpull requestをして取り込んでもらえたので、そのレポートです。

Emscriptenとは

C言語C++で書いたコードを、LLVMを使ってJavaScriptコンパイルするコンパイラです。 標準ライブラリの範囲だけでなく、OpenGLのコードを書くとWebGLに、OpenALSDLAPIでオーディオ関係のコードを書くとWeb Audioにコンパイルされたりもします。

pull requestの内容

直した内容としては、たったの1行です。

Emscriptenのドキュメントを眺めていたら、リリースノートへのリンクが切れていたので、正しいリンクに直しました。

詳細なやりとり

最初のpull request。

  • 私の修正としては、リンク切れを直して、ChangeLogChangeLog.markdownのように拡張子を直しただけです。
  • その修正に対していろいろなコメントが入りました。
    • 「これは問題を完全には解決しない。ドキュメントはいまMarkdownからreStructuredTextに移行してるところだ。」
    • 「んー、changelogを管理してるのはぼくじゃないからよくわからないな。」
    • ここでchangelogを管理しているjujさんが登場して、「ここでの問題はリンク切れだから、その問題を直すだけならこのpull requestで必要十分だ」と言ってくれて、取り込んでもらえることになりました。
  • jujさんから、「AUTHORS(作者たち)に名前を載せるから、AUTHORSに名前を追加するpull requestをください。pull requestの練習だと思ってやってみて。」と言われ、いろいろ調べながらpull requestしたブランチに追加のコミットをした。
  • pull request先がmasterブランチになっていたので、「開発ブランチはincomingだからそっちにpull requestし直してほしい」と言われた。

やり直したpull requestが以下:

これを送ったら、10分後くらいにすぐ取り込んでもらえました。

まとめ

Emscriptenでのpull requestでまず感じたのは、開発者を育てる文化があっていいな、ということでした。pull requestにさらに修正を依頼するのはコントリビュートのハードルを上げることになるので、pull requestに多少問題があっても、開発者がマージしてから手直しをする、ということが事例として多いです。しかし、実際に修正を依頼されてやってみて、自分の成長が感じられたのでやってよかったと思います。

また、AUTHORSに名前を載せてもらえたこともうれしかったです。1行コミットしかしていないのに恐縮ですが、Emscriptenはコントリビュータを大事にしていることがわかりました。

もし今後Emscriptenにコントリビュートする方がいたら、何らかの参考になれば幸いです。